はじめに
皆さんもよく「何者(なにもの)」や「何物(なにもの)」という言葉を聞いたり、使用する機会があるかと思いますが、「何者」と「何物」の違いは果たして何なのでしょうか?
今回は、「何者」と「何物」の違い、使い分けについて説明します。
よく、「他に代えることができない」、「唯一無二の」という意味で、「何ものにも代え難い(なにものにもかえがたい)」という言葉を使用することがあるかと思いますが、「何ものにも代え難い」の「何もの」の部分を漢字にする場合は、以下の使い分けをします。
「何者」を使う場合
「何者」を使う場合は、「何もの」を指し示す対象が「人」の場合に使用します。
[例]
・彼は何者にも代え難い人だ。
・彼の演技は他の何物にも代え難いくらい素晴らしい。
・etc
このように、指し示す対象が「人」の場合は「何者にも代え難い」という表現になります。
「何物」を使う場合
「何物」を使う場合は、「何もの」を指し示す対象が「物」の場合に使用します。
[例]
・彼女からプレゼントで貰った財布は、他の何物にも代え難い。
・昔から使っている時計は、他の何物にも代え難い。
・etc
このように、指し示す対象が「物」の場合は「何物にも代え難い」という表現になります。
「何者」と「何物」の違い、使い分け
上記で説明した通りに、「何もの」を指し示す対象が「人」か「物」かにより、「何者」と「何物」を使い分けします。
[まとめ]
・「何者」=指し示す対象が「人」の場合に使用します。
・「何物」=指し示す対象が「物」の場合に使用します。
ただし、「何者」や「何物」の漢字を使用せずに、「何もの」でも十分に通用するため、無理に「もの」の部分に漢字を使用しなくてもよいかと思います。