はじめに
皆さんの中にも同じ会社にもかかわらず、「本社」が二つある会社があることに疑問を持っている方も多いかと思います。
例えば、◯◯◯株式会社の東京本社、大阪本社など、世の中には、「本社」が二つある会社が存在します。(厳密には本社が二つとは限らず、複数ある場合もあります。)
今回は、「本社」が二つ、または、複数あるのはどういう意味なのか?について説明します。
「本社」とは?
まずは、「本社」について説明します。
そもそも「本社」とは、会社を経営する上で、最も業務機能が集中する事業所のこと、会社としての中心の場所を指すことが多く、「本社」は、単に、会社の大きな組織名に過ぎません。
また、「本社」は、法律上は特に意味を持っていません。
そのため、東京本社、大阪本社などのように、一つの会社に対して、複数の「本社」が存在してもよいことになります。
「本店」とは?
「本社」と同じように、「本店」という言葉も耳にすることがありますが、「本店」について説明します。
「本店」とは、登記簿に登録している所在地となり、会社を登記する上では、必ず、「本店」を登記する必要があり、「本店」と「本社」の所在地が同じ企業が多いですが、逆に言うと、「本店」と「本社」の所在地が違ってもよく、「本社」は複数あってもよいことになります。
「本店」と「本社」の違い
上記で説明したように、「本店」と「本社」には大きな違いがあります。
●「本店」----- 「本店」は、登記簿に登録する会社の所在地となり、一つの会社に対して必ず一つの「本店」が存在する。
●「本社」----- 「本社」は、単に会社の大きな組織名でしかなく、一つの会社に対して複数の「本社」が存在する場所がある。
ただし、通常は、「本店」と「本社」を同じにすることが多く、日本国内や海外にも事業を展開するような大企業の場合は、「本社」が複数ある場合が多いです。
「本社」が複数ある会社
参考までに、「本社」が複数ある会社を載せておきます。
●朝日新聞社は、東京本社、大阪本社、西部本社(北九州市)、名古屋本社と「本社」が全国に四つあります。また、毎日新聞社、日本経済新聞社も同様に全国に四つ「本社」があり、読売新聞社は全国に三つ「本社」があります。
●繊維、医療、ITなどの様々な分野で事業を展開している帝人も、大阪本社、東京本社と二つの「本社」があります。
●カップヌードルやどん兵衛でおなじみの日清食品も、東京本社、大阪本社と二つの「本社」があります。
他にも、「本社」が複数ある会社は多く存在します。
最後に
今回説明したように、「本店」と「本社」では大きな違いがあります。また、「本店」と「本社」の意味を理解すると、「本社」が複数あってもおかしくはないということが解りますね!