はじめに
皆さんも日々、仕事をしていく上で、作業を改善、効率化して、生産性を向上する努力をしている方も多くいらっしゃるかと思います。
そのように、作業を改善、効率化して、生産性向上を図るためには、会社や自分が所属している組織、プロジェクト、チームとして、そして、自分自身を振り返る必要があります。
この、振り返りをする方法に「KPT法」という振り返り方法があります。
今回は、「KPT法」による振り返り方法について説明します。
「KPT法」とは?
「KPT法」の「KPT」は、以下の頭文字をとった言葉で、振り返りの際に、大きく以下の3つの観点を洗い出すという手法です。
●Keep(良かったこと)
「KPT」の「K」は、「Keep」の意味で、良かったこと、つまり、継続していくことです。
●Problem(悪かったこと)
「KPT」の「P」は、「Problem」の意味で、悪かったこと、つまり、問題や課題があり、これから解決したり、もう意味がないために止めたりすることです。
●Try(次に試すこと)
「KPT」の「T」は、「Try」の意味で、次に試すこと、つまり、次に新たにチャレンジしたり、試みてみることです。
「KPT法」による振り返り方法!
「KPT法」による振り返り方法は、特に規定されているものではありませんが、プロジェクトやチームの複数人で実施する場合は、ファシリテーターを決めて、基本的には、以下の流れで実施します。
1.Keep(良かったこと)の書き出し
まず最初に、Keep、つまり、良かったこと、継続することを、どんなに些細なことでも良いので、各人で付箋に書きます。
※一人一個ではなく、一人で複数個出す方が良いです。
2.Keep(良かったこと)の合意
各人が付箋に書き出したKeepを集め、カテゴライズして、プロジェクトやチームとして良かったことや継続することを話し合い、合意します。
3.Problem(悪かったこと)の書き出し
次に、Problem、つまり、悪かったこと、問題、課題を各人で付箋に書きます。
4.Problem(悪かったこと) の合意
各人が付箋に書き出したProblemを集め、カテゴライズして、プロジェクトやチームとしての問題や課題を共有し、取り組むべき事項を合意します。
※振り返りの場では、問題や課題の解決策までは議論せずに、取り組むべき事項の合意までとし、実際の解決策の検討や計画は別途、実施します。
5.Try(次に試すこと)の書き出し
最後に、Try、つまり、次に新たにチャレンジしたり、試みてみたいことを各人で付箋に書きます。
6.Try(次に試すこと)の合意
各人が付箋に書き出したTryを集め、カテゴライズして、プロジェクトやチームで新たに取り組むことを合意します。
7.合意したことの確認
Keep、Problem、Tryの観点で振り返り、それぞれで合意した事項を参加者で確認します。
これで、「KPT法」による振り返り会としては終了です。
「KPT法」による振り返りのポイント!
先にも述べましたが、「KPT法」による振り返りのポイントは、些細なことでも良いので、とにかく書き出すことが重要です。
また、書き出した事項については、どんなことでも批判しないことも重要です。
最後に
「KPT法」は、あくまでも振り返りの手法であり、振り返りそのものを実施することに意味があります。
また、振り返りも長い期間を空けずに、定期的に繰り返し実施することにより改善され、効果が出てきます。
※筆者が昔に受講した「KPTによる振り返り」という教育では、振り返りは、週に一度、それも水曜日が良いと言っていました。(根拠は忘れましたが...)