はじめに
システム開発における売上の計上方法に「工事進行基準」という方法がありますが、今回は「工事進行基準」がどのような方法なのか?、工事進行基準のメリット/デメリットについて説明したいと思います。
「工事進行基準」とは?
作成請負(一括)で長期的なシステム開発を受注した場合など、通常はシステム開発が完了し、納品、検収が完了して初めて売上が計上されますが、「工事進行基準」の場合は、システム開発の進捗度に合わせて、四半期や毎月単位に分散計上する方法です。
「工事進行基準」は、元々は実際の工事業に適用されていましたが、2009年4月よりシステム開発業にも原則的には適用されることになっています。
「工事進行基準」の例
例えば、あるシステム開発を12,000万円で作成請負(一括)で受注し、仮にこのシステム開発を1年(12ヶ月)で開発する場合、システム開発が完了し、納品、検収してから12,000万円を計上するのではなく、「工事進行基準」にて毎月、1,000万円計上するなど、分散計上します。
「工事進行基準」のメリット
「工事進行基準」のメリットは、進捗度に応じて売上計上することにより、不採算案件や不採算プロジェクトを早期に発見することが出来るというメリットがあります。
「工事進行基準」のデメリット
「工事進行基準」のデメリットは、進捗していないにもかかわらず、売上計上してしまうと、売上だけが先に計上されて、開発作業が逼迫したり、売上が無いにもかかわらず開発作業が残ってしまうという不適切な会計になり兼ねないデメリットがあります。
そのため、「工事進行基準」においては、進捗度に応じた売上を計上することが最も重要になります。